帽子を上手に選ぶ三つの方法 (2022年4月更新)




帽子を普段、かぶり慣れていますか?
それとも帽子を選ぶのは初めてでしょうか。

かつて、外出する際、帽子は装いの仕上げとして役割を担っていました。
その後洋装の歴史はカジュアルダウンし続けてきましたが、帽子は当時の役割を佇まいに残し、
カジュアルな装いでも帽子一つで全体の装いのレベルをひきあげてくれる、着こなしの心強い味方です。




帽子と上手に付き合えば、着こなしの幅は広がり、スタイルに豊かさが生まれます。

そのために帽子の上手な選び方、大事な3点をここではお伝えします。

1、帽子の持つ雰囲気を掴む

帽子は、頭の入るクラウン部分と、ブリム(つば)部分の組み合わせでできています。
一般的にクラウンが丸みを帯びると優しい柔らかい印象に。一方で直線的なラインが入るとシャープな印象になります。
また、ブリムが広いとよりエレガントな印象に、ブリムが小さいと性別を問わない雰囲気に近づきます。
ブリムが広く、クラウンだけではなくブリムにもカーブラインのある
カサブランカハットは女性的な柔らかさのある帽子と言えます。
一方、つばの小さくクラウンが角ばった中折れ帽は、スマートな印象を受けます。

普段の服やスタイルから、自分がイメージする印象に近い帽子を選ぶことがまず第一です。


ポークパイハット ボブはクラウンに直線の要素があり甘さは抑えめ。
ですがブリムが広めなので女性にも馴染みやすいバランスです。


2、顔型にない要素を帽子で取り入れる

顔型に合う帽子を選ぶ際、覚えておくポイントは、自分の顔型にない要素を帽子で加えることです。
丸顔の方は全体に丸みのある帽子を選ぶと重複して丸みが強調されることになりますが、
顔に帽子で一つ線をひくようにクラウンやつばに直線的な要素のある帽子を選ぶと
うまくバランスが取れます。
中折れ帽カンカン帽前側だけにつばのあるキャップ等とも相性がよいです。

面長や細面の方は、縦のラインや高さを強調しすぎず、丸いラインのある帽子がよく似合います。
目深で全体に丸みのあるジジ、クロッシェハットマリー等がおすすめです。
またつばの広い帽子を選び横のラインを強調させたり、比較的クラウンの深い帽子で
頭部分をすっぽりと覆うとバランスがとれます。

おでこが広く目立つ方は、そのみせる分量で印象を変化させることができます。
一つの帽子を、傾きやかぶり方で自分のベストなバランスを探ることもお忘れなく。

輪郭が角ばっている、エラが張っている方にはクラウンやブリムに丸みがある帽子は柔らかい印象を加えてくれます。

自分の顔型をよく知り、そこにない要素を帽子で補うつもりで選んでみてください。

ですが帽子を楽しむ上で大事なことは、バランスを取ることが必ずしも目標ではないことです。
1で述べた帽子のもつ雰囲気をよく捉え、なりたい自分のイメージに近づける要素として帽子を選んでください。


帽子で自分の顔型にラインをひとつ加えるつもりで


3、出番の多い帽子を選ぶ

お客様と共に帽子を一緒に選び、おすすめする際に私が一番大事にしていること。
それはかぶる機会の多い帽子をおすすめすることです。

一見して、帽子自体の佇まいや美しさに心惹かれることもありますが、
大事なのは自分のワードローブとの相性。二つで迷ったら、出番が多そうな帽子を選んでください。

飾りの色は手持ちの服と相性がよい色であること。
プリントや柄を着慣れていない方は、リボンや生地の色数が少ないほうがかぶりやすいでしょう。
せっかくの帽子を手にしてもかぶる機会が少なければ、帽子が役立てる場が限られ、
最大限にその使用価値を引き出せません。

自分の手持ちのなんでもないシャツやパンツに日常的にさっとかぶることができるかな?
まずはそれを想像してみてください。
「帽子と合わせるためにきちんとした服を着ないと。」そんな緊張を必要とする帽子は、
普段から着こなすのがなかなか難しいものです。

普段のワードローブこそ、引き締め引き上げてくれる。
そんな心強い帽子をみつけられたら、長く着こなしの味方になってくれることでしょう。

お気に入りの帽子をみつけていただけますように。

こちらの記事もぜひご参考ください。
中折れハットの選び方 2022年版

バケットハット  ジョー
全体が黒の帽子は品よく着こなしをまとめてくれる上、服や季節を選ばないので一つあると重宝します。